2017年02月16日

【怪談】白い幼女

どうも!オカルトフィクサー正宗です。

怪談です。

体験者は私ではありませんが、実在する人物です。

苦手な方はお引き取りを...。


 



では、始めます。


Sさんは、仕事に追われまくっていた。

片付けなければならない仕事が山積していて、もはやどうにもならなかった。

その日は、強面で、なおかつ見た目通り超厳しい部長と一緒に、溜まった仕事をとにかく片付けるべく徹夜覚悟で仕事に取り組んだ。

一度注意した事が改まってなければ、二度目のチャンスを与えず即日で部下をクビにするような部長だった。

『何かミスでもあったら怒鳴られるかもしれないな』

事務所で黙ってパソコンに向かう部長を横目に、Sさんはちょっと離れた場所にある個室にこもり、終わる宛てのない仕事に取り組んだ。

23時をまわった頃。

社内には、もうSさんと部長の二人しか残っていなかった。

...?

Sさんは、自分の視界の端を一瞬何かが横切った事に気がついた。

あれ?何だろう?今、一瞬何か見えたような気がしたんだけどな...。

あたりをキョロキョロと見回してみたけど、何も見当たらない。

気を取り直して目の前の仕事に向き直るSさん。

しかしその数秒後。

...!?

『また何か見えた気がする...』

視界の端をスゥっと何かが横切った。

でも、あたりを見回してもやっぱり何もない。

『何だ?疲れ目か?』

少し目をこすり、仕事を再開する。

しかしまたその数秒後。

!!

『いや、やっぱり何か動いてるな』

『...しかも同じタイミングで動いてるっぽいぞ、これ』

『あとちょっとだな...』

『3、2、1...』

『ここだ!!』

サッと振り向いた先に見えたのは、一瞬だけ現れてスゥっと消える、走る姿の白い幼女だった。

『〜〜っっっっっっっ!!!〜〜〜っっっっっっっっっっ!!!!!!!』

やばい!やばい!やばい!

急いで個室から逃げ出し、廊下に出た。

Sさんと部長の二人しか残ってなかったので、廊下はすでに非常灯しか点いていない。

やばい!やばい!どうしよう!そうだ!報告しなければ!部長に報告しなければ!

薄暗い廊下を事務所に向かって必死に走る。

すぐ後ろにあの子供が笑いながら着いて来てたらどうしよう!!

そんな妄想に怯えながら前だけを見て走った。

そういえば個室の電気点けっぱなしだ、と走りながらなぜか思い出した。

廊下の先に事務所のドアが見えてきた。

早く!早く!早く!

しかし、Sさんはふと躊躇した。

『あの部長になんて言ったらいいんだろう』

『ありもしないバカを言って仕事放り出した、とかでクビになったらどうしよう』

見た目通りのあの部長だ。

本当にそんな事にもなりかねない。

しかし、この薄暗い廊下には、もう一秒もいられなかった。

ましてやあの個室に引き返すなんてとてもじゃないけど出来ない。

無理だ。

Sさんは事務所のドアを開けた。

Sさん「部長!あの...」

部長「どうした?」

Sさん「あの、出ました!」

部長「何が?」

Sさん「オバケです!出ました!」

...言ってしまった。

しかし、そう言うしかなかった。

何しろ本当に出たんだ、本当に...。

そんなSさんの報告を受けて、部長は僅かに声を高くした。

部長「よし、帰ろう!」


その日は事務所も電気を点けっぱなしにして帰ったそうです。

スポンサード リンク


  facebookshare.png  googleplus.png  comment.png

自由帳 - サムライEXP posted by 正宗 at 05:42 Thanks Reading!!
PAGE TOP ▲