どうも!オカルトフィクサー正宗です。
蒸し暑いので今日は怪談です。
苦手な方は今のうちにお引き取りを...。
では、始めましょう。
とある女性の方のお話です。
その女性が道を歩いていると、前から異様に生気のない、青白い顔をした見知らぬ女性が歩いてきました。
その青白い顔の女性は、こちらをじーっと睨みながらふーっ、ふーっ、と息を荒げています。
『え、何だろうこの人...ちょっと怖いんだけど...』
何となく狂気的なものを感じたその女性は、すれ違う時になるべくその睨んでくる女性と近寄らないように距離をとり、目を合わさないよう下を向いて歩きました。
その時です。
後ろから誰かにバン!と肩を叩かれました。
ビクッとして後ろを振り返ると、警察官の男性が立っていました。
「どうかしましたか?なんだかフラフラ歩いていたようですが。体調が優れないのでは?」
女性はホッとしました。
警察の人がいれば安心できる。
「あ、いえ、体調は大丈夫です。ただ、あちらの女性の方が...」
相手に悟られないように、目線だけを後ろに向ける。
「え?」
警察官は目を走らせる。
「あの...何だか私、ずっと睨まれててその、ちょっと怖くて...」
辺りを一瞥し、警察官は言った。
「その女性はどちらにいらっしゃるのですか?」
「え?」
「近くには誰もいないようですが...」
「いや、そんな...」
振り返ってみて、呆然としました。
さっきの女性がいない...。
え?え?なんで?
道はカーブになっていて見通しこそ悪いものの、土留めのために高いブロックで両側が壁のようになってるので、すぐに隠れられるような場所はありません。
え?消えた?...うそ、じゃあ、あの女の人ってもしかして...。
血の気がサッと引き、軽くめまいを感じ呼吸が荒くなる。
恐怖で体がこわばったその次の瞬間、とつぜん猛烈な勢いで横から引っ張られ、ブロックの壁に強く肩を打ちつけた。
痛っ!!と思った一瞬後に、トラックがクラクションを鳴らしながら横をすり抜けていく。
何が起こったのか分からず混乱していると、「あの、大丈夫ですか...?」と声をかけられた。
声をかけてきたのは、自分を睨みつけていた、あの青白い顔の女性。
なぜか今度はずっとあたりをキョロキョロ見回している。
あっけにとられていると、その女性がまた口を開いた。
「あの、あなた...」
少し気まずそうにしながら話を続ける。
「...後ろに真っ黒い影みたいな、モヤがずっと纏わり付いてましたよ?」
「え?」
「フラフラ道の真ん中まで出て行ったと思ったら、あなたモヤの方を見て動かなくなったんです。何ですか、あれ?」
「...」
「トラックが来てるのに動かないから、慌てて引っ張ったんです。壁、ぶつかりましたよね?ごめんなさい。大丈夫でしたか?」
「えぇ、はい...」
じゃあ、お気をつけて、と言って、その女性はしきりに自分の背中を気にしながらそそくさと去っていった。
警察官の姿はどこにも見当たらなかった。
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