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2024年06月10日

【SMR現物追証】SBI証券は危険なのか?




どうも!楽天経済圏在住の正宗です。

『株を現物で購入したら追証が発生した』という、意味不明な出来事を目撃しました。



↑この方の他にも、



↑という状況の方もいます。


■前提情報


・SMRとは『ニュースケール・パワー』という原発関連企業のティッカーコードです。

・後から判明したことですが、そもそもの発端はNYSE(ニューヨーク証券取引所)のシステムエラーによる価格表示異常にありました。

・この価格表示異常により、実際には暴落していないにも関わらず、SMRの株価は前日比マイナス99%下落の大暴落価格が表示されてしまいました。

・価格表示異常が最初に確認されたのは6/3の22:45で、値戻りが確認されたのは同日6/3の23:43、約一時間で収束した出来事でした。

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↑22:45、異常発見時

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↑23:43、異常収束時


■この時点で分かること


・現物追証が発生したのは『SBI証券で成行買いした人のみ』であること。


■疑問点


・SBI証券以外の証券会社で成行買いした場合はどうなったのか?

・指値で買い注文を出した場合どうなったのか?


■結果


・SBI証券以外の証券会社で成行買いした場合はどうなったのか?

SBI証券以外の証券会社で成行買いした場合は、注文は無効となったようです。

2024-06-09-01.jpg

BRKAとはバークシャーハサウェイという会社のティッカーコードです。

ウォーレンバフェットの会社として有名ですね。

このBRKAも、SMRと同じくシステムエラーによる価格表示異常に見舞われていました。

これだけではどこの証券会社かは不明ですが、SBI証券以外で成行買いをしても注文自体が無効となったようです。


・指値で買い注文を出した場合どうなったのか?

どこの証券会社でも指値買いで約定した人はいなかったようですが、SBI証券だけは『注文中』まで取引が進んだようです。

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↑SBI証券では、指値買いで約定はしなかったものの『注文中』まで取引が進んだとのこと。


一方、楽天証券やマネックス証券だと、

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まだ異常発生中の時間内だったのに『買い注文が通らなかった』とのことです。

ここで重要なことは『楽天証券とマネックス証券は異常発生中の買い注文を弾いた』という事実です。

これは買い注文が指値であっても成行であっても変わらず重要です。

実際のところ上のお二方の発注方法が指値買いだったのか成行買いだったのかこれだけでは分かりませんが、『異常発生中の時点で注文をブロックした』ということを重視し取り上げさせていただきました。

発注方法がどちらだったにせよ注文自体が無効となった訳ですし。


■結論


この状況から言えることは、『SBI証券だけ他の証券会社とは異常発生時の注文処理フロー、もしくは異常発生の検知能力自体が違っているらしい』ということです。

他の証券会社は異常発生時の注文自体をブロックしていますが、SBI証券だけは注文をそのまま受け付け、異常が解消されてからそのまま注文処理を実行しています。

言うなればネット回線の渋滞と同じ扱いですね。

この違いをメリットと捉えるかデメリットと捉えるかは人それぞれです。

『異常解消後のレスポンスが速い』と考えるなら、異常発生中でも注文を受け付けることはメリットと言えます。

私個人的には明確にデメリットだと考えます。

エラーを元に判断してしまった注文が通ってしまうのはやはり問題なのではないかと。

今回は『NYSE側のシステムエラーが原因で、かつ成行買いをした』という状況で発生した現象ではありますが、条件が変われば経過も結果も変わるかもしれません。

SBI証券は『楽天証券と並んで人気を二分する大手証券会社』という印象があったので、私はリアルの知り合いから投資を始めたいという相談を受ける度に、「俺は楽天使ってるんだけど、なんも困ることないし楽天証券お勧めするよ。あと、俺は使ったことないんだけどSBI証券もなかなか評判良いっぽいよ」と、いつも楽天証券とセットでSBI証券をお勧めしていました。

今後はちょっとお勧めする訳にはいきませんねコレは。

証券口座を作るなら楽天証券をお勧めします。


■教訓


注文は指値で行う。





■おまけ:補足、雑感など


■現物追証について

『現物追証』という単語のあまりのインパクトに驚き、そのまま記事を書いてしまいましたが、これは実際には『不足金』と言われるもので、株を成行買いした時にはいつでも発生し得るお金です。

どのような時に発生するのかと言うと、買いを発注してから約定するまでの間に株価が値上がりした場合です。

『1,000円を持ってる時に900円の株を成行で買おうと発注したら、約定する時には1,100円に値上がりしてた』という場合は100円が不足金となります。

↓この方の例を参考に、発注から約定までの実際の金額の流れを追ってみましょう。



1株0.13ドルの時に買い付け余力11万円で買い注文が通ったということは、SBI証券内部では表示されていた通りの1株0.13ドル×4,000株の注文として計算されていたハズです。

6/3の深夜は1ドル=約156.5円程でした。

SBI証券での成行買いの計算式は、

{注文時点の直近価格(米ドル)×上乗せレート(今回の場合は110%)×株数+手数料(米ドル)}×注文時概算為替レート×105%

となっています。SBI証券 米国株式「成行注文」機能追加のお知らせページより)

この計算式に実際の数字を当て嵌めてみると、

{1株0.13ドル×上乗せレート110%×4,000株+手数料(不明)}×為替レート156.5円×105%=93,993.9円となります。

手数料だけは不明(手数料はお客さまの取引コース、取引チャネルや外国有価証券市場等により異なることから記載しておりません、とのことです)なので、実際にはこれよりも多少高くなると思われます。

ならば、買い付け余力が11万円というのは拘束金額として妥当ですよね。

そして同じ計算式を約定時の1株9.28ドルで当て嵌めてみると、その金額はなんと670万9,718.4円!

もともと用意していた買い付け余力11万円を引くと、不足金は659万9,718.4円となります。

『余力の約60倍』という金額は、以上のような計算の流れから出てきました。

正確なドル円レートや手数料など不明な点もありますが、大まかにはこの金額で合ってるんじゃないかと。

1株0.13ドルが9.28ドルになったということは、価格が71.3倍に跳ね上がったということです。

いやはや恐ろしいですね。

こんなにド派手に突き抜けることなど通常の現物株取引ではまずありえないですが、それでもやはり成行注文はやらない方が良いと思います。


■余力不足での成行買いについて

あと、今回の件の流れを追っている際に何度か『成行買いなら余力が不足してても買い注文できる』という意見を目にしました。

これホントですかね?

言い方的に『買い付け余力1,000円しかなくても、成行買いなら2,000円の注文も通る』と言ってるように思えるんですよ。

上で書いた不足金の話であれば理解できますが、これはちょっと理解できませんね。

こんなことができる証券会社があるんでしょうか?

私は楽天証券を使っているので、楽天証券で買い付け余力不足の状態を作り米国株の成行買いを試しに実行してみましたが、

2024-06-09-08.jpg

↑このように入金を促されます。

買い付け余力が不足していたら、成行注文でも通りません。

単に私の勘違いなのかもしれませんが、『資金不足の時は間違っても買い注文を通さないで欲しい』と思ってるなら、少なくとも楽天証券なら安全に取引することができます。


■自業自得論について

投資はもちろん自己責任です。

自分で判断して購入ボタンを押したのだから、損害が出ても全て自分の責任ですし、だからこそ利益が出たらそれも全て自分のものとなる訳です。(税金以外は)

しかし今回の場合は、その判断の元となる株価データがエラーにより狂ってたというのが難しいところですね。

本当にここまで全部自己責任に含めてしまって良いのだろうか?とモヤモヤします。

極端な話ですが、『エラーが出ていようが自己責任』を盾にすることが出来るなら、証券会社は意図的にエラーを出すことによって投資家に株価を誤認させ、いくらでも儲けることができたりもします。

エラーログも注文ログもタイムスタンプ付きでサーバに即時記録される筈なんだから、エラー発生中の注文は問答無用で全部自動ブロックするか自動強制取り消しにすれば、今回のような悲惨な出来事も起こらなかったんじゃないですかね。

『エラーにつけこんで大儲けしようとしたんだから、それで大損しても自業自得』という意見も何度も目にしましたが、これも一概にそうとは言えないと思っています。

大暴落してる株価を見てすぐに『システムエラーじゃないか?』と察するのはなかなかに至難の業です。

『明らかにシステムエラーだった』と言えるのは、後から見ればそうだったという部分が大きいと思うんですよ。

実際、SMRは原発関連の企業ということもあり、当初は『何か大事故でも起きたのか?』と言われてましたし、他にも『もしかして倒産か?』『誤発注か?』など様々な憶測が飛び交っていましたが、最初からエラーを疑う声はありませんでした。

ある程度時間が過ぎ『どうやらエラーらしい』という考えが広まるようになっても、どこか然るべき組織から『エラーです』というハッキリとした発表がなければ、なかなかエラーだという断定はできません。

そのような状況の中、『もしかしたら千載一遇の買いチャンスかもしれないのだから、とにかく今はありったけ買おう。暴落の原因を調べるのは後!』という思考になっても不思議ではありません。

『まずは原因を調べて、それで買うかどうか決めよう』などとのんびりしていたら、あっという間にチャンスが過ぎ去ってしまうかもしれませんからね。

それと、株に投資する人の99.99%は利益を出したいと思ってる人です。

大儲けできるチャンスがあったら大儲けしようとするハズです。

なので、大儲けしようとしたことは悪くないと思いますよ。



─ 昨日より一歩豊かに ─






ゴールド / 正宗 / 11:41 Thanks!!



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