このページを見てるということは、今現在もしかしたらあなたのMacが勝手に再起動を何度も繰り返した挙句、このような↓画面になって固まってしまったりしているのではないでしょうか?
だとしたら、あなたは今メチャクチャにテンパってるかもしれませんね。
これはカーネルパニックと呼ばれる現象です。
Macのカーネルパニック現象であなたがピンチに陥ってしまっている理由はただ一つ、失いたくないデータがSSD(HDD)内に入っているからです。
しかし、諦めないでください。
データが助かる可能性はまだあります。
このページで紹介する対処法は全部で6つ(+予防法1つ)です。
■対処法1、OSをクリーンインストールした後、Time Machineバックアップからデータを復元する
■対処法2、ローカルスナップショットからデータを復元する
■対処法3、周辺機器を取り外し、セーフブートを試みる
■対処法4、SMCのリセットを行う
■対処法5、NVRAM、PRAMのリセットを行う
■《最終手段》macOSの上書きインストールを実行する
■今後、あなたのMacがカーネルパニックを起こしにくくするための予防法
落ち着いて対処しましょう。
なお、本文中で使用している私のMacはMid2013のIntelプロセッサMacBook Airですが、AppleシリコンMac(MチップのMac)の場合の手順も併記してあります。
■Macがカーネルパニックを起こした時の一般的対処法
一般的対処法で直るならそれに越したことはありません。
いくつかはすでに試したかもしれませんが、まだ見落としてる対処法があるかもしれません。
慌てずに確認しましょう。
■対処法1、OSをクリーンインストールした後、Time Machineバックアップからデータを復元する
おそらくあなたのTime Machineバックアップは間に合っていないでしょう。
Time Machineでのバックアップが間に合ってるのにそれを見逃してるとは思えませんが、念のための確認です。
OSのクリーンインストール及びTime Machineバックアップからのデータ復元を行うには、macOS復旧システム(リカバリーモード)にて起動する必要があります。
macOS復旧システム(リカバリーモード)での起動方法
・AppleシリコンMacの場合:電源オフの状態から「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで電源ボタンを押したままにし、「オプション」をクリックし、「続ける」をクリックします。(ログインパスワードが必要となる場合があります)
・IntelプロセッサMacの場合:電源オフの状態からCommand+Rキーを押し、そのまま電源を入れ、起動画面が表示されるまでCommand+Rキーを押したままにします。
以下の画面↓が表示されたら起動成功です。(OSのバージョンによって多少の違いがあるかもしれません)
※ここからはデータ全消去からのOSクリーンインストール作業となります。
最初にTime Machineのバックアップデータの確認をしましょう。
macOS復旧システム(リカバリーモード)で起動したら、バックアップが保存されてるストレージを接続し、『Time Machineから復元』へと進みます。
バックアップストレージを選択し、『続ける』をクリックします。
保存されているバックアップの一覧が表示されます。
バックアップは間に合っているでしょうか?
間に合っていなかったら対処法1は諦めましょう。
間に合っていたらストレージのデータを全消去する作業へと進みます。
トップ画面に戻って今度はディスクユーティリティを開きます。
事故防止のためバックアップストレージのマウントをいったん解除し、ここで取り外しておくことをお勧めします。
次に、『すべてのデバイスを表示』を選択します。
一番上の、大元(ストレージ本体)を選択します。
消去をクリックします。(ここをクリックしてもまだデータは消去されません)
この画面↓で『消去』のボタンを押すとデータが全消去され、ストレージは初期化されます。
フォーマットと方式はそのままAPFS、GUIDパーティションマップにすることをお勧めします。
ストレージの初期化が終わったらディスクユーティリティを終了し、macOSの再インストールを行います。
OSのクリーンインストールが終わったら、Time Machineバックアップからデータを復元してください。
■対処法2、ローカルスナップショットからデータを復元する
これはもしかしたら見落としてた人もいるかもしれません。
ローカルスナップショットとは、Macの内蔵ストレージに保管されているバックアップデータです。
内容はTime Machineで取ったバックアップとほぼほぼ同じものです。(『元データ+その時点での状態』という、差分バックアップの形で保存してます。Time Machineバックアップと違い、元データが破損してしまった場合は、残念ながらスナップショットではそのデータは元に戻せません)
システム環境設定のTime Machineの項目で、『バックアップを自動作成』のチェックを外していなければ、ローカルスナップショットは自動的に作成されているハズです。(あともう一点、『ストレージのフォーマット形式がAPFSであること』という条件がありますが、この時点ではもう手の入れようがないため無視します)
↑このチェックボックスです。
チェックが入っていればローカルスナップショットは自動で作られています。
デフォルトでチェックが入っているものなので、自分で外した記憶がなければきっと大丈夫です。
あとはタイミングの問題ですね。
このローカルスナップショットのバックアップが間に合っているかどうかです。
間に合っていたらローカルスナップショットからデータを復元しましょう。
ローカルスナップショットの確認、復元を行うには、macOS復旧システム(リカバリーモード)にて起動する必要があります。
macOS復旧システム(リカバリーモード)での起動方法
・AppleシリコンMacの場合:電源オフの状態から「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで電源ボタンを押したままにし、「オプション」をクリックし、「続ける」をクリックします。(ログインパスワードが必要となる場合があります)
・IntelプロセッサMacの場合:電源オフの状態からCommand+Rキーを押し、そのまま電源を入れ、起動画面が表示されるまでCommand+Rキーを押したままにします。
以下の画面↓が表示されたら起動成功です。(OSのバージョンによって多少の違いがあるかもしれません)
macOS復旧システム(リカバリーモード)で起動したら、『Time Machineから復元』へと進みます。
そのまま『続ける』をクリックして先に進みます。
データの復元元として内蔵ストレージが表示されます。
内蔵ストレージを選択し、『続ける』をクリックします。
保存されているローカルスナップショットの一覧が表示されます。
一番最新のスナップショットを確認してみましょう。
バックアップは間に合っているでしょうか?
間に合っていなかったら対処法2は諦めましょう。
間に合っていたらデータのロールバック(巻き戻し)へと進みます。
ロールバックを行うスナップショットを選択し、『続ける』をクリックします。
この画面↓で『続ける』をクリックするとデータのロールバックが行われます。
ロールバックを行う前にスナップショットの日付、時刻を念の為もう一度確認しましょう。
その日付、時刻以降に作られたデータは取り戻すことができなくなります。
ロールバックでデータが復元され、Macが正常に動作するようになったら、すぐにバックアップを取ることをお勧めします。
なぜなら、カーネルパニックを引き起こした原因も一緒に巻き戻ってる可能性があるからです。
■対処法3、周辺機器を取り外し、セーフブートを試みる
カーネルパニックが起きる原因の一つとして、周辺機器のハードウェアやそのドライバーがコンフリクトを起こしているという可能性があります。
コンフリクトとは、複数のプログラムが同時に一つのリソースを使おうとして奪い合うことです。
なので、Macに繋げている周辺機器があるなら、いったん全部外して普通に再起動してみましょう。
それでもだめならセーフモードでの起動を試してみましょう。
セーフモードでの起動方法
・AppleシリコンMacの場合:
1、電源オフの状態から「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで、Macの電源ボタンを押したままにします。
2、ボリューム(起動ディスク)を一度だけクリックして選択状態にします。
3、ボリュームを選択状態にしたままShiftキーを押すとボリューム下のボタンが「セーフモードで続ける」へと変わります。Shiftキーを押したまま、「セーフモードで続ける」ボタンをクリックします。
4、自動的に再起動します。メニューバーに「セーフブート」と表示されていれば起動成功です。
・IntelプロセッサMacの場合:
1、電源オフの状態から電源ボタンを押し、すぐにShiftキーを長押ししたままにします。ログインウインドウが表示されたら放します。
2、メニューバーに「セーフブート」と表示されていれば起動成功です。(ログインパスワードが必要となる場合があります)
セーフモードでの起動が成功したら、Time Machineでのバックアップを試みてください。
■対処法4、SMCのリセットを行う
SMCとは、System Management Controller(システム管理コントローラー)のことで、主にMacの電源関連の管理をしています。
SMCのリセットを行うことでカーネルパニックが解決する可能性があります。
SMCのリセット方法
・デスクトップ型Macの場合:
1、電源をオフにし、電源コードを抜きます。
2、15秒以上待ってから電源コードを接続し直します。
3、SMCリセットはこれで完了です。5秒以上待ってから電源を入れてください。
・AppleシリコンMacの場合:システム管理コントローラーが廃止されたため、SMCのリセットはできません。
・IntelプロセッサMac、およびT2チップ搭載Macの場合:
1、電源をオフにします。
2、Shift+Control+Optionを押しながら電源をオンにします。
3、電源ボタンを含む4つ全てのキーを10秒以上押し続け、その後キーから手を離します。
4、SMCリセットはこれで完了です。5秒以上待ってから電源を入れてください。
SMCのリセットが成功したら、通常モード、またはセーフモードでの起動を試みてください。
■対処法5、NVRAM、PRAMのリセットを行う
NVRAM、PRAMとは、よく呼び出される設定情報を管理している特殊メモリ領域です。
映像や音声の出力情報、時刻情報、起動ディスク、最近起きたカーネルパニックの情報などが保存されています。
NVRAM、PRAMのリセットを行うことでカーネルパニックが解決する可能性があります。
NVRAM、PRAMのリセット方法
・AppleシリコンMacの場合:NVRAM、PRAMが廃止されたため、リセットはできません。
・IntelプロセッサMacの場合:
1、電源をオフにします。
2、Option+Command+P+Rを押しながら電源をオンにします。
3、起動動作が2回繰り返されるまで(起動音や作動音が2度聞こえたりします)、およそ20秒〜30秒ほどOption+Command+P+Rを長押しし続けます。
4、NVRAM、PRAMのリセットはこれで完了です。
NVRAM、PRAMのリセットが成功したら、通常モード、またはセーフモードでの起動を試みてください。
■Macがカーネルパニックを起こした時の最終手段
ここで最後にもう一度だけセーフブートを試みてください。
様々な対処法の効果が重なり、起動に成功する場合があります。
やはりダメだった、という場合はいよいよ最終手段を実行しましょう。
Macがカーネルパニックを起こした時の最終手段とは、OSの上書きインストールです。
カーネルパニックを起こしているOSに上書きする形でもう一度OSをインストールします。
もうこれで腹を括るしかありません。
カーネルパニックを起こしている最中のOSにさらにOSの上書きインストールなどしてしまえば、その後どんな弊害が起こるか予想できません。
最悪、起動ボリュームそのものを見失ったりするかもしれません。
もしこれでもカーネルパニックが解決しなければ、データは諦めてストレージフォーマットからのOSクリーンインストールをするしか道は無いと覚悟しましょう。
もちろん無事に助かる可能性も十分にあります。
私は2024年5月7日にカーネルパニックに見舞われており、そこでOSの上書きインストールを実行し、無事にデータを救出することができました。
現在6月13日なので、もう1ヶ月以上何も問題なくMacを使用することができています。
さぁ、覚悟はできましたか?
では始めましょうか。
macOSの上書きインストールを実行する方法
1、最初にmacOS復旧システム(リカバリーモード)でMacを起動します。
・AppleシリコンMacの場合:電源オフの状態から「起動オプションを読み込み中」と表示されるまで電源ボタンを押したままにし、「オプション」をクリックし、「続ける」をクリックします。(ログインパスワードが必要となる場合があります)
・IntelプロセッサMacの場合:電源オフの状態からCommand+Rキーを押し、そのまま電源を入れ、起動画面が表示されるまでCommand+Rキーを押したままにします。
以下の画面↓が表示されたら起動成功です。(OSのバージョンによって多少の違いがあるかもしれません)
2、macOS復旧システム(リカバリーモード)での起動に成功したら、『OSの再インストール』へと進みます。
3、そのまま『続ける』をクリックします。
4、規約に同意します。
5、この画面↓でカーネルパニックを起こしているボリュームをそのまま選択して『続ける』をクリックすると、OSの上書きインストールが始まります。
6、上書きインストールが終わったら、Macが正常に動くかどうか、正常に動くならデータが無事かどうかを確かめ、すぐにバックアップを取ることをお勧めします。
なぜなら、カーネルパニックを引き起こした原因がストレージ内のどこかに残っている可能性があるからです。
■今後、あなたのMacがカーネルパニックを起こしにくくするための予防法
もし、あなたのMacがNVMeのSSDを使っている場合は、スリープの設定を『通常スリープ』に変えるとMacがカーネルパニックを起こしにくくなります。(※ターミナルでの操作が必要となります)
スリープの設定の変え方など詳しくは『【Mac】トランセンドのNVMeSSD『JetDrive』のカーネルパニック対策』の記事をお読みください。
なぜ通常スリープなのか?その理由もこの記事↑に詳しく記載してあります。
■追伸、そしてお願い
あなたのデータが無事に救出されていることを祈ります。
以前にも私はカーネルパニックに見舞われたことがあるのですが、実はその時と今回とで思い当たる『ある共通点』があります。
それはApple純正のワードプロセッサーアプリ『Pages』を長時間開きっぱなしにして使っていたことです。
このアプリがPagesです
前回カーネルパニックに見舞われた時のことは2022年2月6日の『SSDがぶっ壊れました...』という記事に書いたのですが、この記事中にある『今まとめてる途中の文書』とはPagesでまとめていたものとなります。(←この件はSSDハードウェア側の問題の方が大半ではあります)
今回もPages使ってたらカーネルパニックになってしまったんですよね。
なので、『もしかしてPages使ってるとカーネルパニックになりやすいのか?』と。
そう思ったんですよ。
『Apple純正のアプリなのに、Pagesを使っているとMacがカーネルパニックになりやすい』というのは自分でもちょっとあり得そうにない話だとは思います。
Pagesは無料で使える有能アプリだと私は思ってるので、できれば単なる勘違い、たまたまの偶然であって欲しい。
しかし、もしもあなたにも同じく思い当たる部分があるなら、どうかこの記事を拡散していただけないでしょうか?
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よろしくお願いします。