先日、配信でM-AGEのライブを観たんですよ。

この『YokodieS vs M-AGE』というライブの主催側であるYokodieSのメンバーの一人に横山和俊という人がいます。
この人が実に素晴らしいシンセシストなんですよ。
そのうち取り上げようと思ってた人だったのですが、ライブも観たしちょうど良い機会なのでここらで記事を書こうかなと。

ビクターエンタテインメントからリリースされた横山和俊氏のソロアルバム。イギリスのかつてのテクノ系名門レーベルRising High Recordsでミックスされている
CDタイトル:HEADPHONE
アーティスト名:横山和俊
横山和俊氏はM-AGEやBUCK-TICK、BRAINDRIVEなどの楽曲制作に、シンセサイザーマニピュレーターとしてことあるごとにゲスト参加していました。
自分の好きなアーティストのCDを買うと、歌詞カードのアディショナルミュージシャンの欄に毎回『KAZUTOSHI YOKOYAMA』の名前が載ってるんですよw
で、『この人すごいなぁ、どんな人なんだろう』と私は常々気になっていたわけです。
90年代中盤くらいの話なので、情報を手に入れる手段が雑誌くらいしかなかったですからね。
上で写真を載せたHEADPHONEというアルバムは、ジャンルで言うとアンビエントテクノ寄りのIDM(インテリジェントダンスミュージック)です。
だからと言って横山和俊氏がアンビエント系やIDM系のテクノアーティストという訳ではないのがすごいところ。
当時のビクターがIDMというジャンルにフォーカスした『リアルテクノインテリジェンス』という企画を押し出していたので、そのコンセプトに沿う形で作ったのがこのHEADPHONEというアルバムだったんですね。
ちなみにリアルテクノインテリジェンス企画では『Chapter One』というコンピレーションアルバムが出されています↓

>>リアルテクノインテリジェンス『Chapter One』
リアルテクノインテリジェンス『Chapter One』
1.Nav Katze - Ziggy (Aphex Twin Mix #1)
2.CONSOLE MIX (※Hyono Masanobu) - Day Trip
3.M-Age - Blind Venus (Caspar Pound Mix)
4.Nazoo - Inicling (Illusive Volumes Mix)
5.Logic Freaks - Vertual Heart Surgery
6.Kazutoshi Yokoyama - Exploration
7.DJ Peah - Be Frozen
8.Buck-Tick - Killing (Whisper Mix)
企画で作った楽曲だというのにHEADPHONEにはトータル的な世界観が高いレベルで構築されてると感じます。
横山和俊氏のこの変幻自在性には本当に驚かざるを得ません。
アディショナルメンバーとして他のバンドにゲスト参加する時も、その場で求められている音に完全に馴染んでいます。
そのバンドが持っている本来の雰囲気を崩すことなく盛り立てており、それでいて埋もれもせず絶妙に尖ったクオリティの高い音を提供しています。
音色作成、打ち込みトラック作成、楽曲作成の全てに高いセンスを感じます。
そしてライブではサービス精神あふれる楽しいお兄さんでしたw
本当に素晴らしいと思います。
PS:
ちなみにですが、横山和俊氏が初めて音楽業界で名前を出した仕事は、

>>M-AGEのインディーズ時代のアルバム『KISS』
M-AGEのインディーズ時代のアルバム『KISS』の一曲目のインストSE曲『CLOSED IN SIDE』だったそうです。
『真夜中に立ち込める霧の中を彷徨う光』みたいな叙情的な曲で、この時からすでに尋常ならざるセンスを滾らせています。